キコの台所

パンと粉もの 料理教室

基本の丸パン

今月はレッスンができなくなったため、
昨年4月14日のブログを見直して、
もう一度載せてみます。

基本の配合のレシピで、
いつも伝えたいと思っている内容を
写真付きで説明していきます。

久しぶりにパンを捏ねてみようと思っても、
レシピの紙1枚ではなんだか心許ないという方も
ぜひ参考にしてみて下さい。

今までレッスンしてきたパンのレシピに
ほぼ共通の内容ですので、お持ちのレシピと
照らし合わせて使って頂きたいです。

材料の準備をする前に、注意して頂きたい事、
それは室温です。
今の時期はとても寒いので、調整が必要です。

手捏ねをする場合、
・水温
・粉の温度
・室温
・手の温度
が、とても重要になってきます。

手が温かい、冷たいは変えられないので、
水、粉、室温を調整します。

水温→湯を混ぜて35℃くらいに調整する。
手が冷たい方、雪が降るほど寒い場合は、
40℃くらいまで上げてもOK。

粉の温度→寒い戸棚から出し立てですと、
その戸棚の室温が粉の温度になります。
使う分だけ、ビニール袋などに計り、
温かい場所に置いておくのが良いです。

室温→暖房を付けて、18〜20℃くらいにして
おくと良いと思います。自分自身は厚着をして
暖かくなっていても、パン生地が寒がります。

基本の丸パン

《材料》
☆100%=300g
強力粉(春よ恋) 300g(100%)
イースト(サフ金) 5.4g(1.8%)
砂糖 21g(7%)
塩 5.4g(1.8%)
水 195g(65%)
バター 9g(3%)

《パン生地データ》
捏上温度 28℃
一次発酵 45〜50分(28℃のところ)
分割 9個
ベンチタイム 10分(30℃のところ)
成形
仕上発酵 35〜40分(32℃のところ)
焼成 210℃ (13分)

《作り方》
ボウルに砂糖、塩、水の1/3量を入れ、
カードでよく溶く。

粉全量を入れる。水を少しずつ入れながら、
粉に吸わせていく。

残りの水を半量ずつ入れていく。

後半は、水の吸えていない粉をめがけて。

台に取り出す。
水でビショビショのところがあって、
粉っぽいところがある。ではなく、
このように、どの部分も同じような
状態が理想。

イーストをふりかける。
1ヶ所にざーっとではなく、
全体的に薄く広がるように。

パラパラしている全体を押し集めて
一塊にする。

5分間、ひたすら捏ねる。
捏ね始めはベトベトするものです。
気にせずひたすら捏ねて、
とにかく材料を均一に分散させる時間です。

捏ねた生地にボウルを被せて、
その横で、手に付いた生地を取る。
乾かないうちに、本体にくっつける。

この2〜3分の間に、生地が休まって
この後捏ねやすくなる効果もあります。

10分くらい捏ねる。
本当は時間で決めずに状態で見極めるのが
理想ですが、よく分からなくなるので、
10分くらい。

捏ねていくうちにグルテンが繋がってきます。
柔らかさが出てくると、伸びも良くなり、
大きな円を描いて捏ねていける状態に
なります。

10分くらい捏ねると、表面がつるっとする。
グルテンができると、滑らかな表面に
なります。

バターを練り込む。
今回の配合はバターが少ないので、
1回で入れて大丈夫です。

多い場合は、2〜4回に分けて入れていくか、
カードで刻んで入れ込んでいきます。

バターが入りきったら、
生地の中心に温度計を差し込み、
生地温度を測る。

きれいに丸める。
張らせるのが難しい場合は、
両手をV字にして、パン生地の底部分を
窄めるとできます。
違う方向から4回やると、張りもあって、
まん丸にする事ができるはずです。

ボウルに入れて一次発酵へ。
ラップをして乾燥防止。

捏ね上がりの温度が28℃の場合は、
データ通り進めます。
28℃のところで、45〜50分。

26.5〜29℃くらいなら、
それほど心配する事なく、
データ通りに進めて大丈夫です。

あまりに低い22〜25℃の場合は、
イーストが頑張れるように、
一次発酵の前半10〜15分を少しだけ
過保護ぎみの温度のところにおきます。
35℃の設定にしてみたり。

300gの粉で捏ねた生地の体積は小さいので、
10〜15分過保護な環境においてあげると、
生地自体の温度が上がります。
でも、そのままずっと高い温度に置くのは
イーストにとって良くないので、その後
28℃のところに置いてあげます。

逆に捏ね上げ温度が30℃以上になった場合は、
涼しい部屋に置いてあげて、生地温度を
少し下げていく事で、イーストにゆっくり
働いてもらうようにします。

そして、分割見極め。

粉を付けた指で優しく触ります。
ぱーんと張りがあるなら、5分くらい
プラスして待ちます。

3㎜くらい凹んで、
ゆーっくり戻ってくる、くらいが分割の時。

台に出して分割。

その前に、生地と台に打ち粉を。

薄い打ち粉(理想!)

ぼてぼてと多過ぎ!!!

ボウルごと、スケールに乗せて、
「ゼロ」合わせ。

生地を台へ出す。
スケールはいじらずに、
空のボウルをスケールに戻す。

「(マイナス)数字」の数字が、生地の重さ。
この生地は、535gです。

台に出す時は、変な形にせず、
なるべく、まん丸に出します。(←理想!)

手に薄〜く粉を付けて、
生地全体を押して、1.5㎝くらいの厚みに
整えます。

ゴロンと丸いまま分割してしまうと、
断面の面積が多くなり、丸めにくいです。


今回は分割が9個なので、
正方形に近い丸にすると、
見た目での分割の判断がしやすいです。

12個にしたい場合は、
3:4の長方形ぎみに広げたりします。

535÷9=59.4
1個 59〜60gに調整します。

家庭用なので、だいたいでもOKです!

丸めてベンチタイムの準備をします。

下側がパンのオモテになる面。

切り口を上に一周軽く折り込む。
裏返して、手の平で押さえてガス抜き。

いきなり押さえると、
切り口がオモテ側にいってしまう事も
多いので、ここでひと手間。

ベンチタイム前の丸めは、
成形へのプロセスが始まっています。


半分に折る。
淵を上に向けて、更に半分に折る。

一次発酵の前と同様に、
手をV字にして8方向から、底部分を窄める。
底はキュッとつまんだりしなくて良い。

並べてベンチタイムへ。

成形へ。
まずは手の平でガス抜き。

半分に折る。
淵を上に向けて、更に半分に折る。

一次発酵の前と同様に、
手をV字にして8方向から、底部分を窄める。

成形の時は、底部分をキュッと閉じる。

天板にオーブンペーパーを敷く。
均等な間隔で並べる。

本来は焼成直前にクープを入れますが、
タイミングを外すと、萎んでしまうので、
ここで入れておくと安心。

慣れてきたら、焼成直前に入れてみて
下さい。

仕上発酵後。

210℃に予熱しておいたオーブンで13分焼成。